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『仏陀の鏡への道』ドン・ウインズロウ(創元推理文庫)

なんだかな。ニール・ケアリーって痛い奴だな、というのが読了後すぐに浮かんだ感想だった。
今回は、前作の舞台ロンドンではなく文化革命の熱覚めやらぬ中国や香港を舞台にしてニールが極限までいじめ抜かれるんだけど、そうなった原因が惚れた女を追いかけることにあるというあまりにも痛々しすぎるニール。
たぶんロマンス小説として書かれていたらそれなりに感銘を受ける可能性はあったんだろうけど、あくまでもハードボイルドな展開の中でのできごとだから憐れみを誘われてしまった。
まあとりあえず惚れた腫れたのニールは置いておいてもニールをとりまく環境はなかなか強力で、中国の権力闘争からCIAまで幅広く取り揃えられているので、読み手としては飽きずにあっという間に読んでしまえる。プロットは多少複雑に感じるんだけど、自然な日本語訳とテンポの良い会話のおかけでそのことはまったく気にならない。
マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』(上ISBN:4003231155・下ISBN:4003231163)を読みたくなった。

仏陀の鏡への道 (創元推理文庫)

仏陀の鏡への道 (創元推理文庫)