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『ロンド』柄澤齊(創元推理文庫)

幻の絵画「ロンド」の周辺で起きる殺人事件。
美術業界という(僕にとっては)特殊な世界で描かれている、至極オーソドックスなミステリで安心して読み進めることができた。はたして、ミステリというジャンルにとって安心して読むことができるという点が、作品の評価を上げることになるのかどうかはわからないけれど、過剰に装飾されていないスタンダードでシンプルなミステリの作法で書かれた作品を読むのが久しぶりだったので、楽しめたのかもしれない。
ただ、下巻において事件が決着を迎えてからの話については冗長だと感じる人もいそうな気がする。僕は、本格ミステリよりも幻想ミステリの方に興味を惹かれることもあって、わりと楽しめたんだけど。
それにしても美術、この作品のなかでは版画や絵画なんだけど、作品に込められているメタファーが複雑なので面白い。普段、絵を見るときには単に見たまんまを受け止めるだけの素人なので、よい刺激になった。

ロンド (上) (創元推理文庫)

ロンド (上) (創元推理文庫)


ロンド (下) (創元推理文庫)

ロンド (下) (創元推理文庫)