エログロナンセンスに惹きつけられる人のための観光案内
『珍世界紀行』都築響一(筑摩書房)
視界に入った途端、瞬間的に両の手で目を覆ってしまう。それでも、しばらく間をおいた後に固く閉じてしまった指と指を少しずつ離し、作り上げた隙間から覗きこんでしまう。そんな背徳的で暗い魅力に溢れたモノで満たされた美術館・博物館などを紹介してあるヨーロッパ観光案内の写真集。
紹介されているジャンルは、
- 蝋人形:マダムタッソーズ(イギリス)など
- 超古代:ネアンデルタール・ミュージアム(ドイツ)など
- 信仰:十字架の丘(リトアニア)など
- 性愛:セックス・ミュージアム(オランダ)など
- 暴力:ロンドン・ダンジョン(イギリス)など
- 病理:フィレンツェ医学研究所(イタリア)など
- アウトサイダー:パレ・イデアル(フランス)など
- 蒐集:ザ・ウォルター・ロスチャイルド・ズーロジカル・ミュージアム(イギリス)など
- 人文・社会学:旧KGB(ロシア)など
- 観光:プロフォンド・ロッソ(イタリア)など
- カタコンベ:カプチン会の地下墓所(イタリア)など
と豊富に取り上げられている。全部で99ヶ所。そのうち9割ほどは知らない場所なんだけど、一般的な観光名所よりも訪れてみたいと思えるようなところも多く楽しかった。ただ、前半は目をそむけたくなるようなインパクトのある写真が多くて困ったけど。
あー、それに最近読んでいる『ワールド・ミステリー・ツアー13』というシリーズのロンドン篇、イタリア篇、パリ篇で取り上げられていたスポットも『珍世界紀行』ではカラー写真で掲載されているのでかなりの相乗効果があった。偶然の読み合わせに感謝。