『幻夜』東野圭吾(集英社文庫)
『白夜行』の解説で馳星周が書いていたが、同じようにこの作品もノワールの系譜。
美冬の闇の部分に顔を突っ込んで見てみたい。たぶん作中に何度か言及される『風と共に去りぬ』やスカーレット・オハラを知っていたら美冬の心情を理解するための多少の糧にはなるのだろうけど、残念ながら読んだことも観たこともないのでわからない。何故彼女はそこまで金や権力に執着するのか。貧乏や不幸な体験がここまでさせるのだろうか。知りたがりな読者の行く末も、結末と同じ運命をたどりそうな気もするだろうけど首を突っ込んでみたい。
悪女という言葉のニュアンスだけでは足りないほどの徹底した執着心が怖い。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/03/20
- メディア: 文庫
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