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『密室の如き籠るもの』三津田信三(講談社ノベルス,2009)

刀城言耶シリーズの中短編集。短い話だと中途半端な印象がぬぐえなかった。なので、唯一の中編である表題作が最も読み応えがあった。

首切の如き裂くもの
元華族の人たちが多く住むお屋敷町の路地で起きる連続首切り殺人事件。突っ込みどころの多い話。
迷家の如き動くもの
マヨヒガに迷家、山の怪談を元にした話。市井の人々が噂や怪談、都市伝説を話しているところに刀城言耶が現れ、解釈を試みるという展開は短編という器に丁度いいのかもしれない。
隙魔の如き覗くもの
学校が舞台ではあるけれど、学校の怪談の類はストーリーに絡んではこない。隙間があると覗かずにはいられず、覗いてしまうと忌まわしい光景を見てしまうという特異体質を持つ女性という設定は面白いが、中途半端な印象だった。
密室の如き籠るもの
上記三作は短編だけど、本作はボリュームのある中編。密室の蔵で死んでいた三番目の妻は果たして自殺なのか他殺なのかというミステリ的な謎に、コックリさんやコトリバコのような忌まわしい箱といった怪談のような要素が加わって緊張感のある内容になっている。

密室の如き籠るもの (講談社ノベルス)

密室の如き籠るもの (講談社ノベルス)