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履歴を記録すること

2010年の記憶に残った本

今年のほにゃらら、というのを初めてしてみる。新刊をほとんど読まないし、そもそも定番となっている10冊という数字を選ぶほどの読書量もないので、ささやかに小説編5冊と非小説編4冊という変則仕様。ただ、1年分の自分の読書を振り返ることができるという点では、優れた企画なんだと思う。これまで振り返ったことがなかったから新鮮だった。

小説編

厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)

厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)


横溝正史的な雰囲気と、京極夏彦的な謎解き、そしてひと通り説明がついた後にも残る余韻が引き起こす恐怖感がよかった。
妊娠カレンダー (文春文庫)

妊娠カレンダー (文春文庫)


今年読み始めた小川洋子。偏執的な情景描写に比べて詳しくは描かれない登場人物の内面のせいか、逆説的に感情が浮かび上がって悪意や善意が際立ってくるようで怖かった。
鏡の影 (講談社文庫)

鏡の影 (講談社文庫)


登場人物の会話のやり取りを読んでいると自然と笑みがこぼれてくる。人物の動かし方が本当に巧い。
1809―ナポレオン暗殺 (文春文庫)

1809―ナポレオン暗殺 (文春文庫)


佐藤亜紀作品から2冊目。ナポレオン暗殺の陰謀へ向かうまでのプロセスと駆け引きが素晴らしい。
天使の囀り (角川ホラー文庫)

天使の囀り (角川ホラー文庫)


今年の貴志祐介祭りの中ではこの作品のえぐさが最も心に残った。『ホット・ゾーン』でもそうだったけど、目に見えない敵が現われた場合の真の敵は人間なのだなと。

非小説編

サンカ学入門 (サンカ学叢書)

サンカ学入門 (サンカ学叢書)


赤朽葉家の伝説』から始まって『後巷説百物語』まで。今年の読書にはサンカがよく登場したので、そういう意味では今年の1冊かもしれない。
検察側の論告

検察側の論告


佐藤亜紀による書評集。本の読み方という意味では、今年はこの本と村上春樹の『若い読者のための短編小説案内』が参考になった。
赤線跡を歩く―消えゆく夢の街を訪ねて (ちくま文庫)

赤線跡を歩く―消えゆく夢の街を訪ねて (ちくま文庫)


赤線時代の建物を当地の歴史と共に紹介した写真集。人の営みが刻まれた建物に興味がある人にとっては垂涎の一冊。
忘れられた日本人 (岩波文庫)

忘れられた日本人 (岩波文庫)


歴史には人がいるし、人がいる場所には生活がある。来年は宮本常一の著作をもっと読んでみたい。