『バースデイ・ストーリーズ』村上春樹 編訳(中央公論社)
誕生日をテーマに編まれたアンソロジー。レイモンド・カーヴァー以外は知らない作者だったけど、村上春樹による作者・作品紹介が1話ごとに付記されているので雰囲気をつかみやすくはあった。
誕生日に関した物語の短編であることには間違いないんだけど、ハッピーバースデー!という読後感を得られるような物語はあまりない。そのほとんどが、重かったりちょっと賛同できないようなクリスマスプレゼントが登場したりする物語だったので、この本を誕生日プレゼントとして贈られても素直に喜べないんじゃないかな。
ラッセル・バンクス「ムーア人」、リンダ・セクソン「皮膚のない皇帝」、デイヴィッド・フォスター・ウォレス「永遠に頭上に」、ルイス・ロビンソン「ライド」に関しては、多少不思議な感覚は残るものの温かみが感じられる内容で気に入った。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 新書
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