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読む。書く。のこす。

『人のセックスを笑うな』山崎ナオコーラ(河出文庫)

人から借りた。今、映画も上映中みたい。

ぶらぶらと垂らした足が下から見えるほど低い空を、小鳥の群れが飛んだ。(p9)

出だしの文章なんだけど、まったく情景がわかんない。鳥って飛ぶときに足をぶらぶらさせているものなんだろうか?って主題とは関係のないところで行き詰っていたんだけど*1、その後は至って読みやすい内容。
19歳の専門学校生♂と39歳の講師♀との恋愛といった筋で、1文1文が短くテンポもいいし、タイトルに使われているセックスの描写も拍子抜けするほど健全だし、主人公のセックスに対する

寂しいから誰かに触りたいなんて、ばかだ。相手を大切な人に思い、しっかり人間関係を築きながら、愛撫はゆっくり優しく丁寧に、且つ、エッチに、相手の反応を細かく見ながらやるべき。(p59)

といった考えもまともに感じてしまう。僕は、男らしさとか九州男児的なものに違和感を感じることがあるし、そういう意味においてはとても共感のもてる小説だった。
僕がそう感じるのを見越した上で本を貸してくれたのだとしたら慧眼だと思う。本当のところはわからないけど。

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)

*1:といった話が[http://media.excite.co.jp/book/news/topics/114/p03.html:title=メッタ斬り!版芥川賞、直木賞選考会]でも取り上げられていて笑った。