2018年8月22日(水)
近づいてくる台風19号と20号は、九州を間に挟み込むようなコースをとっており福岡にはフェーン現象からのギフトである猛暑だけが届いているような塩梅。
先週の盆休みより飽きもせずホラー関係の本を読み漁る中で、とても久しぶりに京極夏彦の本を手に取り、気がつけば以前のように本の厚さがあってないようなのめり込み具合で読み終えていた。
百鬼夜行シリーズの京極堂に引けを取らない面白さだった弔堂シリーズだった訳だけれども、とりあえず京極夏彦の本を手に取ることが久しぶりだった理由の一つに『邪魅の雫』以降、百鬼夜行シリーズが出版される気配がないということもあるのではないかと自らを振り返って感じていた。
『書楼弔堂 破暁』、『書楼弔堂 炎昼』は本屋を舞台に、明治の著名人の裏面史を埋めているような感覚が楽しく、また相も変わらず符号を一致させる手腕に感心してしまうと共にこれこそが京極夏彦の本を読む動機になるのだな。
その通りです。死者は誰も恨みませぬ。死ねばそれまでなのですから。ただ、恨まれていると感じている人や、恨んでいるだろうと思う人が、いるだけでございます。死者を成仏させるもさせぬも、それは生者次第にございます。だからこそ、供養はある。だからこそ、死後の世界は生者の中にこそありと申し上げたのです。さあ、如何でございましょう。幽霊は怖いですか。(『書楼弔堂 炎昼』p501)
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