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『ウォータースライドをのぼれ』ドン・ウィンズロウ(創元推理文庫)

ついにニール・ケアリーは道化師になってしまった。
プロットは若干複雑で面白くはあるんだけど、いかんせんコメディ寄りの風が作品のそこかしこから吹いてくるのでそちらの方に気をとられてしまう。そのおかげでポリーゲート事件本体については、さほど記憶に残らないというか印象が薄い。なんだか断片的。
シリーズとしてもクライマックスの場面・作品なのにいまいちの盛り上がりなのは、やはりニールとグレアムの二人が事件に翻弄されっぱなしで、主導権を握る場面が少なかったからじゃないかな。
これでドン・ウィンズロウのニール・ケアリーシリーズは読んでしまったけど*1、第一長編の『ストリート・キッズ』が頭一つ抜けてると思う。アベレージは高かったけど、下降線だったのは否めないかな。

*1:『ウォータースライドをのぼれ』の次に出された『砂漠で溺れるわけにはいかない』は、後日談的な話らしいので。