『顎十郎捕物帳』久生十蘭(朝日文芸文庫)
短編集。捕物帳ってかなり面白いのな、と気付かせてもらえた。
怪異を怪異として捉える江戸時代という時代背景の中で、主人公の仙波阿古十郎は「不思議なことはない」という京極的なスタンスでさっくりと謎を解き明かしていく。そして事件が解決した余韻にひたる間もなくあっさりと物語が終わってしまう江戸っ子の気質のような潔さが心地良かった。
- 捨公方
- 稲荷の使
- 都鳥
- 遠島船
- 鎌いたち
- ねずみ
- 氷献上
- 咸臨丸受取
- ご代参の乗物
- 三人目
- 紙凧
- 丹頂の鶴
- 野伏大名
- 蕃拉布
- 日高川
- 菊香水
- 初春狸合戦
- 猫目の男
- 永代経
- 両国の大鯨
- 金鳳叙
- 小鰭の鮨
- いもり*1
- かごやの客
- 作者: 久生十蘭
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1998/04
- メディア: 文庫
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*1:本当は漢字表記