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読む。書く。のこす。

『ある首斬り役人の日記』フランツ・シュミット(白水uブックス)

映画に続いて本の年越しは、『ある首斬り役人の日記』フランツ・シュミット(白水uブックス)でした。
これは、ノンフィクションというか書名の通り首斬り役人の日記。背表紙のあらすじから抜粋すると、

中世末期のニュルンベルクの町で生涯に361人を刑場の露と消えさせた首斬り人フランツ親方が克明に記した日記。(あらすじより)

という内容。中世に、もしブログがあったとしたらこの人のブログはアルファブロガーと比肩する人気があったじゃないかな*1。ためしに引用してみるなら、1578年の

十月七日、ハンス・バンクマン、別名鶏の脚、ビュルケンシュタット出身。ならびにゲオルク・ルムブフ、ニュルンベルク出身、別名賢者。両人とも泥棒で同地にて斬首刑に処した。(p25-26)

こういった内容の記述が、淡々と1573年から1615年に職を辞するまで書いてある。当時の罪と罰の関係が読めて興味深い本だった。
『硫黄島からの手紙』と合わせて僕にとっては、よく人が死ぬ年越しだった。

ある首斬り役人の日記 (白水Uブックス)

ある首斬り役人の日記 (白水Uブックス)

*1:と、思ったけどその当時においてはこの本にあるようなことは日常的なできごとで、話題にはならない可能性が高いんじゃないかという気もしてきた。