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『川の名前』川端裕人(ハヤカワ文庫JA)3

良質の青春小説。良い仲間に良きライバル、子供の心を忘れた大人、という青春小説の類型的な図式の中で「自然」が中心に据えられ、思い出す機会の減ったある種のわくわくするような感情を揺り起こしてくれたのは大きい。

ぼくたちにはそれぞの時代があり、それぞれの場所がある。ぼくたちはここで生まれ、生き、やがて滅ぶ。きみたちの場所で同じことをするんだ。(P473)

川の名前 (ハヤカワ文庫JA)

川の名前 (ハヤカワ文庫JA)