『翻訳家の仕事』岩波書店編集部編(岩波新書)
翻訳者37人の翻訳にまつわるエッセイ集。硬い文章を書く人もいれば、こなれた読みやすい文章を書く人もいる。僕でもなじみのある人はどちらかというと、後者に属する人が多かった。
多和田葉子の翻訳あるいは誤訳に関しての考え。
基本的には、あらゆる翻訳は「誤訳」であり、あらゆる読解は「誤読」なのかもしれないと思っています。程度の差はあるでしょうが、それが基本的に程度の差であるということで、<間違っている><正しい>の二極に分けて考えることはできません。あなたが言うように、たとえ訳者がある慣用句を文字どおり訳してしまった場合でさえも、そのことによって文学的に得るものがあれば、それはよいのではないでしょうか。(p171)
- 作者: 岩波書店編集部
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/12/20
- メディア: 新書
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